2004年5月2日〜4日
今年は道の判らない選手はいないようだ、何時もは数人の選手と一緒にスタートするのだが、今年は単独。
横ちゃんが一緒に行こうと言っていたのに姿が見えない。東京のM田さんと一緒に走り始めたら脇に居たのが横ちゃんだった、くたびれてお互いに見落としたようだ。相変わらずの雨! 3キロほど先の藤井酒店で他のグループと合流。
しっかりチェックカードにパンチ。
ここから国道までが暗闇で急な上り坂。得意の早足で登りきる。
後からの話だが、このグループは我々があまりの速さで坂を上っているのを見てあっけにとられたそうだ(笑)
今年も簡単なエイドがあった、この先の暗闇にいてくださるエイドスタッフが今年は三見駅に移動している。スタッフ不足の影響だ。
ここから玉江駅までがまたまた暗闇でわかりにくい不気味な道だ。
数人のグループを先導する。案の定1つ目の踏み切りを渡っている選手を見つけた、まだこの踏み切りは渡らない。
暗闇の道を直進するとやっと本来の踏み切り、これを渡るとまたまた暗闇だ。
やがて玉江の町並みに入ったところで道が判らなくなった、何時もなら難なく進むところだが今年はどうもおかしいな。
佐世保のY本さんがエイドスタッフで活躍されている。
私はあまりの眠さに駅のベンチに座り込んで5分ほどウトウト。
やがて富山の全盲ランナーM本さんが伴走者と共に入ってくる、だいぶ疲れて眠そうだ。待合室の片隅にあるダンボールに横になり一時の休息をとっている。
さあ、夜も明けた! あと少し頑張ろう!
玉江駅を後にし、萩城跡を左に見る辺りから140キロのトップクラスが追い抜いていく、みんな元気だ。
笠山を目指すがこの道も何時もながら長い単調な道でいやになる。

雨がひどくてカメラが濡れそうだが他の選手にお願いして記念写真を一枚。
そういえば今年はあんまり写真を写していない、この雨ではしょうがないな。
椿の館でパンチを押す、チェックポイントは残り1つだ。
食事後にスタッフにコースの状況を確認する、雨風が強いがコースは大丈夫との事。
何時もの時計回りのコースに出発する。
いよいよ笠山を後にして東光寺に向かう。
一人旅なのでだんだん辛くなる、一人で掛け声をかけて自分を元気付ける
「ファイト! ファイト!」 「イチニ! イチニ!」

やっと最後のチェックポイントだ。
しっかりパンチを押す。このチェックカードの重みは参加選手しか判らないだろう。
皆は遊歩道に戻るが一人で松蔭神社の細い道へすすむ。
往還道料金所
この頃から他の種目ランナーが追い抜いたり交差したりで賑やかになる。
今年は雨で参加選手が少ないようだが、それでも賑やかだ。
お互いに「がんばれー!」 「おかえりなさーい!」などと声を掛け合う。
掲示板のお客様「あさひさん」が歩け歩けの60キロに参加されている。
ここの伝言板にメッセージを残してくれているはず、探したら7時10分に通過されている。
コース上でお会いしたかったがこんなに差があるんじゃ無理ですね。
読んでもらえないことを承知で「あさひさん」のメッセージに私の通過時間を書き込む。
さあ、最大の難所佐々並までの往還道に向かう。
一升谷の石畳、これでもか、これでもかと言う急な上り坂。延々と続く坂道。
この付近は10年目でもコースの記憶が不鮮明だ、それだけ疲れているんだろう。
足元は3日間降り続いた雨で泥沼のようになっている、足はふやけて爪が浮いている。マメも出来て痛い。
泥水で化膿しないかと心配だがそんな事を言っている余裕も無い。
少しでも泥水を避けるのだが結局おなじ。
やっとお豆腐が食べられる、そして残りが14キロになった。
大会本部の「さかぼんさん」にメールを入れる。
板堂峠からは下り坂だから、残り7キロほどを頑張れば良い、そう思って気もちを奮い立たせる。
先にゴールした選手、残念だが次回に完踏を延ばした方などが応援に来てくれている。
さあ最後の頑張りだ!
雨の国道をひたすら前に前にすすむ。
一度旧道に入り、首切れ地蔵の前を通過して再び国道に戻ってから最後の登り。
板堂峠に向かう最後の上り坂がキツイ! 延々と続く上り坂。
いつもも夏木原キャンプ場の前でエイドを開いてくれているおばちゃんが今年はだいぶ手前にいてくれた。
聞いたら上のお店は閉鎖してしまったそうだ。草もちを美味しくいただく。
後は残り約4キロの上り坂だ。先の見えない板堂峠に向かって少しずつだが確実にすすむ。
やっと夏木原キャンプ場に到着、残り1キロで板堂峠だ。
初めて参加したのだろう? 別コースの選手が「この上り坂はまだ続くんですか??」悲鳴にも聞こえる質問。
「あと、500メートルだよ! 最後の登りだ、がんばれよー!」。 何処かで拾ったのだろうか?木の枝を杖にしている男性は500メートルの言葉ににっこりした。
板堂峠に着いた、ここからまた山道なんです。
最後の階段を登って板堂峠の最高地点に到着する。 後は下るだけだ。でもこの下り坂が痛めた足には辛い辛い!
爪ははがれかけている、足の裏は水ぶくれでおろし金の上を歩いているような痛み。
でも・でも、あと数キロで終るんだ!
痛む足を庇いながら最後の往還道を楽しむように下る。(写真提供「うめ吉」さん)
突然オカリナの音色! 天花畑の東屋で選手をオカリナで迎えてくれている人がいた。
「いつも何処かで!」
選手なのか? 応援のかたなのか?
この大会は先にゴールした選手は後続のランナーを応援に戻ってくれる。途中で断念したランナーもエイドで後続の選手のサポートをしてくれる。
やっと舗装道路に出る。あと残り3キロだ。
今年はあんまり急がないで10年の思いをたっぷり楽しむことにした。
大阪のY子さんも一緒に走ってくれる。
最後の角を曲がると正面に瑠璃光寺が見える、ビクトリーロードだ。先行する大阪のM尾さんを見つけ一緒に走っていただく。
瑠璃光寺の境内は3人で手を繋いで一緒にゴール!!(写真提供「うーさん@北九州」さん)

実際のところホッとしました。
この3日間の嵐、途中で何度やめようかと思ったか。
でも、止めなくて良かった。
今日は10年の思いが一杯つまったゴールだ、でも不思議に涙は出ない。
自分で出来ることをやりつくした満足感なのか? 意外とすがすがしい気持ち。
皆さんありがとう!!
最後のチェックカード審査を受ける、問題なし! ホッとする。
ゴール地点のベンチに座ってシューズを脱いで足を始めてマジに眺めて見る。怖いもの見たさだが、どうなっているのだろう?
ゴール直後の足の裏、爪は3枚即死状態、他に数枚は仮死状態。
(写真提供「うめ吉」さん)