2001年・山口100萩往還マラニック 完踏記 
(250キロ)
萩往還の道標
2001年 7度目の萩往還
今年も来てしまった萩往還、何が毎年呼んでいるのか?

天気予報はだんだん良くなるとの事だが、武道館での説明会後の記念写真撮影中にも雨が降り出した。
雲も厚く晴れそうな気配が無い。

5月2日午後6時、これから始まる48時間の戦いに選手の緊張も高まる。スタート前のハワイアンと私
それを押さえるかのように地元のお姉さま方の”ハワイアン”が始まる。


18時6分、第3ウェーブでスタート。
順調に上郷駅(13.4k)、下郷駐輪場(27.6k)を予定時間との誤差数分で通過する。

西寺エイドの皆さん
西寺交差点(44k)のエイドで高校生との再開も楽しみの一つ、今年は秘密兵器?を持ってきた。
過去2年間の写真印刷したものと、それをCDRにコピーして持参した。
エイドに到着、いつものように元気いっぱいの高校生が迎えてくれた。
ほとんどが毎年参加している、写真とCDRをプレゼントしたら感動してよろこんでくれた。


西寺を後にして街灯の無いような寂しい道路に入るとまた雨が降り出して合羽を着る。
前後が空いてしまって単独で真っ暗な夜道を豊田湖(57.4k)に向かう。
豊田湖(57.4k)には昨年と同時刻の午前1時42分に到着。(スタート時間差4分の遅れ)

食事後、徳島から参加の女性を含めて数人で再スタート。
狭い道路を走る、両側から林が迫ってきていて一人なら薄気味悪いが、今年は集団なので気持ちが楽だ。
前日までの長雨の為に土砂崩れのおそれがあるとかで、本部の車が時々巡回して声援を送ってくれる。
スタッフもご苦労様。
今年は一般車両の通行が少ないようで、道路を一杯に使って最短コースを走ることが出来る。

雨は時々降り出すので合羽が脱げない。

大坊ダムのエイド:ファイトバナナ大坊ダム(75.8k)のエイドも元気の良いところだ。
バナナにマジックで「ファイト」と書いてある、こんなの始めて。
ここを過ぎるといよいよ日本海に出て、そろそろ夜が明けてきて元気が出る頃。


海湧食堂(97.3k)には昨年より20分遅れて到着、豊田湖をゆっくり出発した分が遅れた原因。
でもまだまだ先が長いので全然焦らない。

お粥を食べている居るときに実行委員の方から携帯にメールが入る。
「今頃海湧でしょう? これから景色が良いので楽しんでください」 とのメール。
ピンポン! ぴったり当たりました。

俵島(97.3k)のチェックポイントで始めてのパンチを押してから川尻岬に向かう。
川尻岬(107.2k)が始めての関門(午後1時)だが、9時40分到着で余裕。
昨年比9分遅れまで取り返した。

千畳への登りはもちろん走れない、大股で歩くのみだがそれでもキツイ!
疲れて眠くなった頃に家の近所にある中華料理屋さんから応援の電話が入る!
おかげさまで眠気がすっ飛んでくれた。
千畳敷でやっと中間点(124.6k)
ここをを下ったところに西坂本エイドがある(128.6k)、ここも女子高生が元気に応援してくれる。
みんな本当に素直な子供達、居合わせた選手全員救われるような雰囲気。
みんなで先を争って選手の世話をしてくれる、ここでカップ麺をいただく。

さあ出発!
でもこれから長門市、青海島を折返して宗頭までが約45キロの長丁場。
ここで焦ると後に響くのでマイペースで進む。
長門市内のいつもの自販機で今日2本目のビールを飲む。

青海島先端の鯨墓(152.8k)で折り返すが、エイドの女性も私のことを憶えてくれている。
「今年も来ましたね!」 一緒に記念写真。

暗くならないうちに青海島を抜け出したいがギリギリの時間、すれ違う選手にお互いにエールを交換。
途中から暗くなったがほぼ予定どおりの時間で抜け出せた。
仙崎のエイドに戻ったら大阪の岡村さんと会った。
岡村さんはネイチャー、さくら道、萩の3連チャン。さすがにスーパーレディーもだいぶ疲れた様子。

この頃には雨の心配は無くなったが、風が強くなって防寒の為に再び合羽を着込む。
手袋もしていないと寒くて震える、止まって居られない。
三隅の町中でいつもビールを飲むのだが、今年は寒くて省略。
宗頭(174.9k)に22時40分に到着、ほぼ昨年と同時刻。

毎年シャワーかお風呂を利用するんだが、今年は省略して食事だけ。
途中のコンビニで買ってきたパンを食べる(おにぎりが喉を通らない)
着替えを済ませて少しだけ横になるが眠れるはず無い。
23時30分に宗頭を出発することにした。

宗頭を出発してすぐに国道が工事のため迂回路の矢印がありそれに沿って田んぼの中に入るが、道はだんだん山の中に入っていく。
なんだかおかしいぞー! 国道に戻って工事中の道を注意して進むことにした。

同行者がいるのでリズムが良い。
藤井酒店でチェックのマジックを入れてから真っ暗な山道を懐中電灯の明かりを頼りに国道に向かってひたすら登り坂を走る。
今度は国道を鎖峠に向かって走る。
鎖峠からからは今度はひたすら三見の町に向かって下るがここが長い長い。
同行していただいている方が先行するが、道を間違えたのを呼び戻したりしながら三見駅(187.1k)に到着。
スタッフが真っ暗な駐車場から出てきて「お疲れさま」! スタッフの方こそお疲れさまです。
ここでチェックを入れ、萩城を目指してまたまた真っ暗な山道を進む。
途中の玉江駅でどうにも眠くてしかたが無く、待合室の土間で少し仮眠をとる。
10分も横になっただろうか? スッキリした。
横になっている間にだいぶ前に抜いた大集団が追いついてきた。しばらくは大集団と一緒に走る。

萩の町並みに入る頃からタイムが気になりだした、いつもの通過時間よりもだいぶ早いようだ。
もしかしたら自己新が出来るかも? とチョット欲張ってみることにした。
いい加減いやになった頃やっと笠山の入り口、左折して明神池を過ぎると大阪勢が戻ってくるのにバッタリ。
元気な高山さんと、女子トップの伏見さん。どちらも元気で戻っていった。

笠山(204.4k)、虎が崎(207.1k)の両チェックポイントも通過。
虎が崎では昨年はパンチを押し忘れたので念を入れて確認した。
食堂では携帯に充電させてもらいながらうどんを食べるが、やはりおにぎりは喉を通らない。
ここを出発すると後は往還道に向かって戻るだけ。
途中で知り合いと何人もすれ違いお互いに手を上げて挨拶、この時だけ元気をもらう。

東光寺(215.3k)に到着。
最後のチェックポイント、ここまで来ると後は萩往還道の山道を残すのみ、しっかりパンチを押して、写真を撮る。
松陰神社前のコンビニを通ると、いつも一緒に参加されている大阪の村尾さんご夫妻がお食事中!
鈴木さーん! って呼ばれてご挨拶。調子が良くなくてワープしましたとのこと。

さあ、楽しみな往還道。
今年も有料道路に向かう道から他のコースの選手が次々に走ってくる。
皆さんから「ガンバッテ」、「お帰りなさい」の声援を受けて急坂も歩けなくなる。
この声援を受けたいために毎年辛い・辛いレースを走っているのだ。
精一杯楽しませてもらわなくちゃ。 
自分もすれ違う選手に「ガンバッテください」と声援を送り、応援してくれた方に「有り難うございます」とお礼を言いながら走る。

そうこう言っているうちに明木市(226.4k)を通過して往還道の核心部に入る。
何度通過しても長い・長い山道でいい加減飽きてくるが、
時々すれ違う選手に励まされながら先を急ぎやっと最後の佐々並(235.6k)のエイドに到着する。
ここのお豆腐は絶品、スタッフの奥様達も元気いっぱいで励まされる。
ここまで来ると残り約15キロ、ゆっくり行っても3時間あればゴール出来るぞ。
やっと先が見えた。

山道を出たところから4kほどある、山道の下りが2キロはある。
それなら後9k頑張れば何とかなる、なんて距離の計算が始まった。
うまく行くと自己新記録が出るかな? なんて欲張りの計算が始まった。

長ーーぃ登り坂をひたすら夏木原キャンプ場に向かって走るのだが長続きしない。
キャンプ場前の売店のおばちゃんが今年も待っていてくれて、選手にぼた餅を差し入れしてくれる。
後1k登ると板堂峠(萩往還道最高所560m)だ、もう走れないが大股で峠に向かって急ぐ。
ここから山道に入って少し登ると後は下りのみ。
さあ、瑠璃光寺のゴールに向かって頑張ろう。
時計を見るとまだ   時 分、1時22分までにゴール出来れば自己新記録だ。
すべりやすい石畳を慎重に下って行くが、痛めているつま先が辛い。
やっと山道を出て舗装道路になったところに最後のエイドが在った。
スタッフの方が家族総出で開設してくれている、有り難うございます。
水を一杯いただいて残りの距離をゴール目指して一目散に下るが最後の4kが長いです。
やっと瑠璃光寺の門前の坂道に入るが今年は応援が少ない。
この頃になるとラストスパートが少しばかり早すぎたのか息切れがしてきた、だけどゴール直前で歩くのもみっともないのでガマンして走り続ける。
山門の付近には沢山の応援の方が「お帰りなさい!」と大声援。

ゴール写真今年も帰れました、皆さんのおかげです。
結果は43時間47分12秒(自己新:25分更新)でした。
(写真のタイムは時差スタートを含)



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