蛛@真矢さんの

”萩往還”という「生き方」

A−9 蛛@真矢(27・福岡県)2003.05.19 掲載


 
萩往還マラニックには、今年で五年連続の参加でした。今までの結果は二勝三敗。23歳で初めて挑戦してから五回の挑戦を終えて、区切りのいいところで一度振り返ってみたいと思いました。
「萩往還」とはもちろん”道の名前”です。そして、マラソン愛好者の間では”マラニック大会”でもあります。しかし、私にとって萩往還とは一つのスタイルです。「萩往還」を固有名詞でなく普通名詞として捉えてしまいます。
私がマラソン大会への参加経験が少ないせいかもしれませんが、萩往還マラニックのような大会はあまり見たことがありません。一方で萩往還を見習って、そのスタイルを採用している大会を見ることが最近多くなりました。
私にとって、他の大会と萩往還とでは「大会への参加のあり方」が大きく違っています。他の大会では、まるで「お客さん」なのですが、萩往還では「自分も大会を作る一人」なのです。萩往還が褒められると、自分が褒められるようで嬉しいです。大量に送ってくださる申込用紙も「一人でも多くの人にこの大会を知って欲しい」という思いから、「一部でも多く配ろう」と思います。それでも小野さんは、「大会のアピールなんかせんでいい。自分のアピールをしてもらればいい」と言ってくださいます。
こうまで萩往還に入れ込んでいる理由を考えてみました。それは、萩往還の醍醐味にあると思います。私は2回完踏することができました。でも、完踏はその醍醐味の半分しか味わえない気がします。もう半分は、完踏しようと努力を重ねたあげくのリタイヤではないでしょうか。自らが完踏のゴールテープを切るとき、白にしか見えないゴールテープが、リタイヤした後で他の選手がゴールするところを眺めていると、そのゴールテープが輝いて見えます。ゴールへ向かう選手の姿が神々しく映ります。あのときの「悔しくて堪らない気持ち」が、残りの半分の味わいのような気がします。
20代という250キロの部にあっては若年の私だから感じるのかもしれませんが、萩往還というスタイルは、マラソン大会の一つの様式を超えて「生き方」、現代風に言えば「ライフスタイル」ではないかと思います。言葉ではうまく言い表せませんが、「萩往還マラニックに参加しているときの気持ちで人生を歩んでいけたら」と思うことがあります。
私は、萩往還という生き方に誇りを持ってレースや人生を楽しんでいきたいと思います。

ホームページへ | ウルトラマラソンのトップへ | 皆様の投稿トップへ