皆様からの投稿

2004.05.17掲載

萩往還完踏記

先崎(マツサキ)@千葉(市原)

2004.5.2〜4

萩往還の出発地点、瑠璃光寺に5月2日の15時に着く。コース説明を受け、宿に着替えに行き、再び瑠璃光寺に戻って来たのは、17時30分を過ぎていた。山門付近の売店でパンかおにぎりを探すが売っておらず、おでんを食べて腹の足しにする。

◆ スタート:瑠璃光寺

5月2日:18時からウエーブスタート
最後からトボトボいくとして、これが大失敗と知らずに、最終のウエーブに入り18時30分にスタートする。最後にスタートした人達は、殆どが実力者で凄いペースですぐに3人が最後尾になる。山口市内を抜けて椹野川のサイクリングロードを走るころは一人取り残さ不安、遥か前に見える赤いランプを見失うことがない様に走る。途中で1名地元のランナーを抜いて少し安心するが、自分もキロ7分で走っているのに置いていかれ、皆のペースが速いのには驚く。線路を潜って国道に出ると上郷駅に着く。

◆ 上郷駅 13.4Km(20:00到着)

予定よりも早い、水だけで食べるものも何もなくガッカリ、前のランナーがおり、4名で走る。福岡県の方がコース案内をしてくれる。これで一安心、県道を右折して「山口秋吉台自転車道」に入る。

◆ 湯の口交差点 21.5Km(21:16)

ここのエイドにも食べ物は何もない、ひたすら「山口秋吉台自転車道」を4名で走る。キロ8分よりも早いペース、雨が落ちてきた。

◆ 下郷駐輪場 27.6Km(22:07)

暗闇の中にエイドがある。ここには食べるものがあると聞かされていたが、最後尾と参加人数が多かったために、飲み物が少し残っているだけ、持ってきた乾パンと干しぶどうを食べる。途中で何箇所か分岐があり、注意しないと道を間違える。ペースは悪くないが、体は少し重たい感じがする。

◆ 美祢高校前 32.0Km(22:50)

高架下に突然エイドが現れる。秋吉交差点がイメージしていたのと全然違うのに戸惑う。この付近も気をつけないと迷子になりそう。依然、4名で走る。1名がコースを熟知しているので助かる。予定よりも到着時間が遅れてきている。
門村の分岐を左折、携帯用のレインウェアーを着る。まだ元気だ。
5月3日になる

◆ 西寺交差点 43.9Km(0:33)

やっと食べ物にありつけるエイドに到着する。ここに来るまでに何人かを抜き、後ろに人がいることで気分的に大分違う。隣のコンビニで蒸しパンを購入し、やっとお腹が落ち着く。ここから中国自然遊歩道にはいる。アップダウンが続く山の中を走る。コースを間違えやすいところだ。ここでは、前を走る人の赤いランプが見えるので一安心、きつい登りは歩くことにする。下田代三叉路に簡単なエイド(飲み物だけ)があり、ほっとする。人が前後にいるからか、道に迷うことなく豊田湖の切石亭に着く。

◆ 豊田湖・切石亭 57,4Km(2:48)

ノートに到着時間を記入するが、どうも300番後半のようだ。早速、うどんを頂く。雨が本降りになって来た。休むと走り出しが辛くなるが、思い切って表に2名で飛び出す。2名とも初参加のため、前のランナーを見失わないように走るが、ペースが速く、ついていくのが大変。

◆ 俵山温泉 66,0Km(4:26)

エイドに着くと、ランナーに会えるようになる。ここから砂利ヶ峠(260m)までは、登りが続く。峠を越えると大坊ダムまでは大坊川沿いに下り、明るくなってくる時間なのにまだ真っ暗、眠気がないのが不思議な感じ。

◆ 大坊ダム 75,8Km(5:50)

まだ、走れる。心配していた左脚の付け根と左膝の痛みが出ないのは幸い、これからも無理はしないようにと油谷を目出す。この付近は、地図でコースを把握できているので不安はない。明るくなってくると雨もやんできた。

◆ 小田海湧食堂・油谷中学校(着替え) 86,2Km(6:24)

食事中に顔見知りの数名と挨拶を交わす、皆、元気がいい。おかゆはおいしい。着替えをして7時50分に出発する。ここからCP1の俵山までは長い。小さなアップダウンの繰り返し、登りは歩くことにする。途中に自販機が沢山あり、水分の補給をする。農協前から5,8Kmの折り返し、多くのランナーとすれ違う。俵山の登りは結構きつい。

◆俵山 97,3Km(9:20)<CP1>

初めてのチェックポイント、チェックシートに慎重にチェックをする。地元の人がエイドを開いてくれ、水を頂く、日が出て暑いくらい。農協の分岐まで走ったり歩いたりのペース、酒屋の前の自販機でジュースを飲み、水を補給する。大浦漁港で100Km走ったことになる。川尻岬まではアップダウンの繰り返し、登りはひたすら歩き、平地と下りを走る。ランナーが前後にいるので道を迷う心配はない。

◆ 川尻岬・沖田食堂 107.2Km(10:50) <CP2>

チェックと記帳をする。カレーライスがなくて、うどんを食べる。休む時間が長くなり11時30分に出発、すぐに水岬の三叉路を左折して、畑峠から鳥居の前を通って段々畑を見ながら急な坂を下る。
雨が降り出しカッパを着る。下りきったら海沿いを走る。この辺からかなり記憶が薄れてきている。海辺にある白い建物が見える。これがシーブリーズだ。

◆ シーブリーズ 112.8Km(到着時間不明)

ジュースを飲む。サンドイッチを半分だけ注文し、塩を貰って舐める。豊田湖で一緒になった三重県の方と一緒になり、雨の中を千畳敷に向かう。途中の交番の先を左折する箇所は、交番をボンヤリ見過ごし、左折箇所で振り返って交番を確認する。眠くはないが、意識は大分散漫になってきている。下りながら、立石観音の岩が見える。

◆ 立石観音 117.2Km(12:55) <CP3>

チェックシートを濡らさないように注意し、チェックをする。ここからは、クネクネとした道を登る。津黄峠から左折した千畳敷までの約2Km の登りはきつい。強風の千畳敷に着く。

◆ 千畳敷 124.6Km(14:05) <CP4>

売店も閉まっており、持ってきた乾パンと干しぶどうを口に入れる。急な下り、膝を痛めないようにゆっくりと下る。腹が減ってエイドが待ちどうしい。

◆ 西坂本 128.6Km(12:40)

カップうどんとドリンクを貰い、畳にあがって休憩、足の裏が痛い、赤い斑点が足の裏一杯に出来ている。ここから仙崎までが長い、黄波戸まで下り、海沿いを走り、境川交差点を左折、ここからは長門市の中を走る。カッパが破れたのでコンビ二軒によるも売切れ、スーパーでカッパを購入、始はよかったが、蒸れてサウナに入った状態、ボタンを外し、フードを取ったりして風を入れることを考える。このころから雨は土砂降り、国道を走っているので、道路を走る車から何回も水を跳ね返される。

◆ 仙崎公園前 142.3Km(到着時間不明)

仙崎にやっとの思い出たどり着く、これから鯨墓までの往復を考えると気が重い、この天気では中止になるかもと勝手な考えが浮かぶ、エイドで休んで雨の降り方を見ている。「もう止めた」との言葉を何回か飲み込んで、荷物を預け、支度をしてエイドを出る決心をする。予定よりは、2時間は遅れている。青海大橋を渡り、紫津浦を右手に見ながら少しでも遅れを取戻そうと走る。静ヶ浦キャンプ場でカレーライスを食べる。黒瀬峠を越えるころからアップダウンが続く、途中の自販機は売切れ、一時雨がやみ、明るくなる。カッパを脱ぐとほっとする。

◆ 鯨墓 152.8Km(到着時間不明) <CP5>

チェックをし、水を飲んで直ぐに折り返す。一人になり、途中でヘッドランプをつける。また、雨が降ってくる。とにかく宗頭には行くとの気持ちはある。幸いなことに脚が痛まないが、足の裏は、休んで動き出すときは痛い。前に進むこと意外に何もする気が起きない。到着してノートを出して時間を記入することも面倒で、時間を覚えたつもりも直ぐに忘れている。この折り返しは、よいペースで走った。

◆ 仙崎公園前 163.7Km(19:30頃)

サウナ状態を少しでも解消するために、カッパのズボンを脱ぎ、ウインドブレーカのズボンに履き替え、カッパのズボンは捨てる。ここから道が判らないところがあるので、先に出発した3名に追いつき、挨拶をして一緒に連れて行って貰う。工場の中を通り、一人で来たら確実に迷ったと思う。ここは、平坦な道が続く、一定のペースで走ったり歩いたりの3名に着いて行く。長門三隅駅前を通過、バイバスの合流地点のコンビニでお礼を言って分かれる。コンビニで暫く休憩、ここから宗頭までが長い、歩き続けるが、何時までたっても着かない。

◆ 宗頭 174.9Km (22:15頃) 

5月4日になる足の裏の赤い斑点が痛い、直ぐに風呂に入る。濡れたシャツ、タイツ、ソックスを着替えてさっぱりする。3個パックになっているおにぎりを2個食べる。味噌汁が旨い。23時に布団に横になるが妙に冴えていて眠れない。0時に起きて、出発の準備をする。外を見ても雨はやまない。0時33分に4名で出発。京都府の人に案内をして頂く。藤井酒店は暗闇の中にポツンとあり、思ったより近く感じた。

◆ 藤井酒店 177.9Km(到着時刻不明) <CP6>

ここから左折して山道に入る。道を水が流れていて、変えた靴も直ぐにビショビショ、国道までの登りがきついが、真っ暗の中、京都の人とひたすら歩く。ヘッドランプがあまり明るくなく一緒に人がいるのは助かる。ここをもし一人だと思うとゾーとする。国道に出てからは下り、急な坂以外は走る。三見の分岐は、大きな標識がある。ここでクニさん達と一緒になる。三見川沿いに下り三見駅に着く。

◆ 三見駅 187.1Km(到着時間不明)<CP7>

チェックをして駅の中で少し休む。ここからが、地図で見ると一本道だが、京都の人に忠告され、絶対に1人で行ってはだめな所、幸いクニさんがいる。一緒に走らせて貰うが、道がくねっており、どちらに走っているかが判らない。1人で走ったら間違いなく迷子になる。山陰本線が脇を通っているはずだが、暗くて確認も出来ない。踏切は名前を確認しながら渡る。玉江の町に入ってから、駅になかなか着かない、何回も線路が見える錯覚をする。

◆ 玉江駅 193.9Km(4:30頃)

20分ほどベンチで休む、眠いが眠れない。常盤大橋を渡り萩市内に入る。自販機でコーラを買う、ゲップが出て困る。雁島橋を渡り、萩焼会館の帰りの左折するところを確認しる。ここからの歩道はでこぼこで走りにくい。笠山から折り返して来るランナーに励まされながら笠山に向かう。明神池を過ぎてコースを間違え、虎ヶ崎に向かう。途中で気が付くがそのまま行く。すれ違うランナーが怪訝な顔をするので、その度に、逆周りをしていると言い訳をする。

◆ 虎ヶ崎 204.4Km(7:06)<CP9>

小野会長が大きなボードに到着時間を記入している。逆周りできたことを告げ、食事をする。笠山までの登りを歩く。直ぐに笠山に着く。

◆ 笠山 207.1Km(到着時刻不明)

急な坂を下り、道を間違った三叉路で確認すると、立派な笠山への標識がある。明神池の脇を通り、走りにくい歩道を笠山に向かうランナーに声を掛けながら、走ったり歩いたりで進む。
萩焼会館の前を左折して東光寺に向かう。突き当りの小さな端を渡ってから、東光寺まではゆるい登り坂が長く感じる。

◆ 東光寺 215.3Km (8:15頃)

ここまでくれば後35Km、最後のチェックを終えた、チェックカードを大切にしまう。松蔭神社の前を通り、白線に誘導されて、松蔭大橋を渡る。警察署の前を通るが、萩駅の方向が判らず道を尋ねる。萩駅の標識が何処に無く不安、橋本橋を渡って跨線橋を渡るころには、前方から140Km,70Kmのランナーとすれ違う。国道から左折し、萩往還に向かうところは前に3名が見えたので付いて行く。涙松址を過ぎて、萩有料道路料金所に到着する。

◆ 萩有料道路料金所222.8Km (到着時刻不明)

ここのエイドは充実している。スープを2杯頂きパンを食べる。萩往還に入り、山道を登る。140Km,70Kmのランナーが声を掛けてくれる。140Kmだって大変な距離を走っているのに、自分が逆だったら、あんなに暖かい声を掛けるころが出来るのだろうか。一里塚址を過ぎ、下ると明木市のエイドに着く。この下りが疲れた脚には辛い。

◆ 明木市 226.4Km(到着時間不明)

エイドによったが、何を食べたかを覚えていない。ここからは、アップダウンの繰返し、下ると田圃の畦道を通り、シーズは泥だらけ、一升谷の釿切までの登りはきつい、この登りで前に会った京都の人に追いつく。国道に出たり山道に入ったりして佐々並までが遠い、同じ様な場所を通るので意地悪をしているかとコース設定を恨む。

◆ 佐々並 235.6Km(到着時間不明))

やっとの思い出佐々並に着く。座ってしまうと立つのも面倒、豆腐を取って貰って食べる。心配していた胃は大丈夫だ、足の裏と、少し足が浮腫んだのか甲が痛い。板堂峠までは国道を登り、案内人がいる場所で萩往還に入る。夏木原のエイドで草餅を頂く、美味しかった。一の坂の下りは、急で長く足の爪、膝が悲鳴を上げる。本当にこんな所を籠を担いで往来したのか、長州藩の土木技術はなっていないと変なことを考えて下る。一の坂ダムが見えてホットする。あと4Km だ、泥だらけの足をシューズ毎、田圃の用水路に突っ込み洗う。舗装道路にでて少し走る。一の坂ダムを過ぎてからは、カッコをつけて走り出す。天花橋を渡って左折、案内人のいる交差点を右折、瑠璃光寺が見える。

◆ 瑠璃光寺 250.0Km(15:18:50)

カッパとウインドブレーカを脱ぎカッコをつけてゴールする。ゴールは少々誇らしい気持ちで両手を挙げてポーズをつける。
ヤマさんから頂いたビールが旨い。4月29日から今で禁酒をしていたのだから、ゴールする人は、皆、何ともいえない良い表情をしている。

<後記>

萩往還を終わって、完踏記録をまとめて見ました。月間250Km程度の練習量の自分が萩往還のスタートに立つことさえ不思議なのに、ゴールにたどり着けました。100Kmのウルトラとは別な世界だと聞かされ、無理はしない、登りは歩くとの作戦が上手くいきました。山登りの経験が大変約に立ち、登りの歩きは、よいペースで歩けたと思います。

考えていたよりも遥かにタフなコースで、よくこのようなコース設定を思いついたか、改めてスタッフの皆様の努力に驚愕しております。また、トップと最終ランナーのタイム差が20時間もあり、エイドでボランティアをして頂いた皆様に改めて感謝いたします。ややもすれば自分勝手な行動をする人が多い中、こんなコースは、自分一人では走れないことを再確認いたしました。走っている最中は、もうこんなことは二度と遣らないと思っていましたが、来年の事を考えております。途中、一緒に走ってくださった方々を殆ど覚えておらず、大変、残念に思っております。決して、自分の力で完踏出来たのではないと改めて感じております。

最後になりますが、スタッフの皆様、ボランティアの方々及び関係者のご努力に改めて御礼を申し上げます。

(文責 千葉県市原市 先崎)

先崎(マツサキ)さんのゴール写真

写真はドンがメオーさんの提供です


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