景山亘さんの萩往還マラニツク250キロ

夢よもう一度 完踏記

2002年5月2日〜4日

A−7 景山 亘(63歳) 大阪 河内長野RC

2002.05.26掲載


2002.5/2−5/4

今年も昨年に続き日本一素晴らしい大会に46時間39分46秒のタイムで昨年より1時間も早くゴールでき夢よもう一度の私の願いがかなえられて最高です。

そして46時間雨の中の激走を思い出しては泣けてきます。この感動がわすれられません。
この歓びを沢山のランナーの方々に味わって頂きたいものです。
本当に年齢に関係なく目標に向かって努力すれば誰でも完踏出来ると思いました。
そしてこの大会に全国から1240人参加されそれぞれ楽しまれたことと思いますがこれも小野会長様以下スタッフの方そして沢山の皆様の暖かいご声援によって私も完踏出来ましたこと心から感謝しております。有り難うございました。
私も2年目で景色とか食べる楽しみもでき親切なランナーの方々と走れて本当に地理の不安も余り有りませんでした。
この素晴らしい大会に私は夢シリーズとして今後とも体力の続く限りチャレンジしたいと思っております。
では完踏のドラマを簡単にまとめて見ましたそして私と走った気持ちで読んで下さい。

朝9時38分新幹線で新大阪から5人(菖蒲.景山.竹下.新田(冨).矢谷)山口へ出発し楽しい会話の内に昼の12時頃到着。
いよいよ待ちに待った250キロのスタートが今晩の6時スタート天候も心配はない。
昨年は既に雨だった。
今年は私も少し練習しているので完走に自信は有りましたがやはり不安でした。

説明会(ランナーズで日本1番になつたのでランナーズから2人取材に来ていた)食事をしている内にあっと言う間に時間がきて地元の方のフラダンスの後私と新田.矢谷の3人で6時3分に楽しく瑠璃光寺をスタートしました。

菖蒲さんは3Kで先に行き,竹下さんは後方からいつもの追い込みでしょう。

上郷駅から暗くなり始めいよいよ電池をつけ二本木峠から下郷駐輪場へでも3人とも絶好調。
沢山の前後の電池の光が目に付く。昼は新緑できれいな景色だと誰かが言っていた。

そして午後11時頃だろうか秋吉台自転車道を走る.カエルの鳴き声があちこちで聞こえ空もどんより曇ってきた。
3人とも相変わらず話は弾む。5−6年前に旅行にきたところと思い出した。

西寺交差点に午前1時頃着きエイドで若いボランテァにお世話に成り記念写真をとり(ここではまだ沢山のランナーで賑やかだった)少し休憩してA1豊田湖.石切亭へと向かう。

いよいよ山の中に入って行く。

昨年はここでみんなについて行くためにかなりペースが早すぎ石切亭で食事も出来ないほどでしたので今年は少しゆっくり行った。
そして豊田湖石切亭で午前2時頃たどりつきかなり登りだったのできつかった。57K足もぼちぼちと感じるようになる。
食事もしっかりとり昨年一緒に完走した沖村夫妻に勇気づけられて出る。
この度はボランテァだそうです。
みんなもかなりしんどそうであった。
昨年の女神がついているので完走に手応えを感じる。
枚方の山田さんもかなり疲れている様子お互いに声を掛け合って2時30分頃出る。

砂利ヶ峠から長い下りに入り大坊ダム迄のエイドが長く3人とも1本の水を交代で飲み走りに走った。
午前4時30分頃大坊ダムのエイドにつく。ここの区間はとても長く感じたのも足にきているせいでしょう。
暖かく迎えて頂いたボランテァのおかげで美味しい豚汁や飲物で一息つく。
お腹がすいていてとても美味しかった。
ここはかなり風がきつくテントが吹き飛びそうでみんなおおさわぎでした。 (75K)
3人とも元気である。昨年の経験を生かして下りは早く走らない。
本当に山の中で一人に成ったら怖い。
さあ次は日本海の油谷湾 海湧食堂をめざして行く。
段々明るく成る。
カモメも飛んでいる ついに日本海が見えた。
油谷湾を見ながらもう朝に成った。
僕は昨年経験しているので地理感覚に余裕があり色々説明ができた。
1人走るのと3人で走るのは疲れが全然違う。
海沿いの道をひた走りに走り朝はとても気持ちが良い。

ついにA2海湧食堂にきた。
沢山のボランテァの方に拍手で迎えられホットしてみんな食堂に入る。
午前6時30分頃だったと思う。
沖村さん夫妻に昨年より早いね、と言って元気づけられみんなお粥さんがおいしく2−3杯食べた。(86K)
山田さんは残念なことにここでリタイヤされ応援に回られました。
出発は7時として昨年は8時だったので貯金ができて嬉しかった。
みんなも30分も休憩して足に来ていたので暫く海沿いに歩きながら俵島案内板へ向かう。

昨年はこの付近で1人になり足も痛くて途方に暮れていたところ奇跡の女神沖村さんと一緒に歩いたり走った事を思い出してみんなに話した。
又昨年は雨でしたが、今年は天気も良く油谷湾の景観を見る余裕もできて嬉しかった。
ここはエイドも少なく水が貴重で1本の水を交代で飲みながら俵島へ結構遠い。
竹下さんはもう追いついて来るはずなのにどうしたのだろう。
でもきっと追いついてくるよ。といいながら最初の俵島案内板でチェックライターを3人で確認しながら済ます。
もし忘れたりしたら失格なので念には念を入れて…
ここは折り返しで沢山のランナーとすれ違い手を上げて挨拶をする。
お互いに笑みで。

次は川尻岬沖田食堂に向かう。
ここは来た道を引き返す所、沢山の方しすれ違う。
お互いに声を掛け合って登って行く人、下って行く人みんな疲れて来ている。
ここで竹下さんに会う。そして久津三叉路のスーパーでアイスクリーム果物を買って歩きながら食べた。
お腹も膨れた。
山道で登りが多くなる。
道端の草花がとてもきれい。

川尻岬 沖田食堂にたどりついたのは12時頃だったと思う(107K)
2回目のチェックライターを済ましめいめい自分の荷物をとり食事をした。

ここでリタイヤしている人は美味しそうにど−ルを飲みながら既に完走した気分になっているのがうらやましい。
ビールも欲しい。
でも完走するまではガマンガマン。

山道を下り海岸へおりて立石観音はとてもきれいな海そして大きな岩の上に観音さんが祭られていた。
ここでチェックライターを済ましみんなで自販機でコーヒーを飲み一息つく。
ここを出て次の千畳敷に向かう。
ここは昨年とても寒く、足もとても痛かった事が脳裏に浮かぶ。
みんなに前に雄大にそびえているあの山が今から行くところとガイドしてアップダウンの道を歩いて行く。
ここはコースの中でも萩往還道に続くきつい所です。
頂上に近づく頃大雨となった。 
さすが新田さん登りは強い。
しかし今の雨は雪と違って全然気にならない。
大雨の中チェックライターを済ましレストランで食事(カレーライス)を済まし暫く休憩する。
午後2時頃と思う。

千畳敷を後に雨の中を走っておりる。足もアイシングになり痛みもなかった。
まだみんな元気で私もホットしました。国道におり直ぐエイドここでは暖かいラーメン.コーヒーを飲み女学生にクローバーをもらいパワーを貰う。
ここから暫く話しながら歩いている内三叉路で右に向かい道を間違えていたことが後から来たランナーに教えられもう少しで大変なロスになるところだった。
有り難う。
仙崎に午後6時迄につかなければ完走に赤信号だと話しながら雨のなかをあいかわらずマイペースでも平地で足にきてスピードが落ちる。
車も多く成り水しぶきをあげて行く。危ないので端を走る。ついに青梅島にかかる大きな橋が見えた。

予定どうり6時前に仙崎についた。
エイドでみんな水.水と言ってバナナとか飲物を手当たり次第に口に放り込む。(142K)
そしてここで私は背中のリュックを預け電池持ちいよいよこれから暗く成る。
ここも千畳敷に続く3番目のコースの難所です。3人相変わらず元気である。
俵島と同じ折り返して来る人と沢山会う。みんな声を掛け合って挨拶をする。
私は手を上げてお互いに意志を通じ会い嬉しい。雨の中遥か彼方に民家の火が見えた。
かなりのアップダウンが続き暗くなった9時頃鯨墓につく。チェックライターをすましエイドで元気を付け折り返しから走りに走り、1時間30分で仙崎に帰った。
このとき竹下さんに会った。しかし残念にも竹下さんは鯨基でリタイヤ(152K)
11時までと思っていましたが10時30分に帰れたことは完走にますます手答えが有った。 

さあ次は宗頭文化センターを目指していよいよ萩に向けて帰ると思うと足の痛みもなんのその3人電池をつけて夜の道をどんどん行く。
仙崎から国道に出るのが夜で道がわかりにくいのでA205神武さんに道案内を頼む。
寒い夜の国道をただ宗頭を目指してもくもく、疲れが出て話し声も無くなる。
時たま車が通り過ぎて民家は電気はついていても誰も姿がない。
何回も文化センターか勘違いするきれいなネオンがあつた。

やっとついた。こんなに遅く(11時40分頃)私達をボランテァの方々が拍手で迎え
て頂き生き返った。食事を済まし睡眠は時間の都合で止める事にしました。昨年はここ
で10分間仮眠しました。
竹下さんとここで会う。
そして電池を借り長くおると足が痛かったことが昨年の記憶があり12時過ぎに出発する事にした。
萩往還道が雨で下りが走り難いことが頭に浮かぶ。
山田さんにもここで元気づけられいよいよ萩往還道からゴールを目指して暗い夜道を出る。

みんな30分休憩して食事などしたため足が痛く成る。
そして鎖峠越えは道が不案内でA52鈴木さんに頼む。
しかしベテランの方でペースが早く皆ついて行けず遅れる。
私は藤井酒店迄ついて行く。
そしてここでチェックライターを済ましみんな来るのを待つ、しかし来ない、鈴木さんは景山さん先に行ってくれ。
私が後の方を面倒見るとのこと、これがみんなと運命の別れ道になろうとは思いませんでした。
新田(富)引き返し宗頭でリタイヤ(174K)
そして私はA141山本さん.A204松崎さん(福岡)と3人で鎖峠を下る。
結構早く私は一生懸命について行きました。
こんな暗い夜道に1人になると思うと自然について行けるものです。
やはり日頃の山道の練習が利いたようです。
これから私のゴール目指しての気分が一新して登りも下りもなにかが憑き物がしたようになんぼでも走れるようになりました。
ここの下りは長い足に来る.頭の先までピピン響く。
ガマンガマン。
鎖峠もなんのその昨年と同様黙々と併走して三見駅につく。
チェックライターを済ましエイドで休憩していると鈴木さん(神奈川)が来る。
そして矢谷さんと女性のランナーと後から来ているとの知らせがあり良かった。
しかし新田さんはリタイヤしたとのことが解りました。朝の2時頃だったと思う。(187K)

ここから鈴木さんと萩城前の玉江駅前迄一緒に行く。
雨は激しく降り始め私は最初から着のみ着のまま薄い長袖のままで寒さも雨も気合いが入って全然気にならない。
眠く無く絶好調、4時30分頃玉江駅につく(193K)

エイドで15分仮眠をとる。鈴木さんは10分前に出る。
少し仮眠をとったせいか身体は楽になる。

暫くすると山本さんと松崎さんが出発するとのこと笠山へむけて4時45分に一緒に雨の中明るくなりかけた萩の町を通り過ぎ歩いたり走ったりで行く。
松崎さんはかなり睡魔が来ている様子。
何人かのランナーが転倒したのを見ている。
昨年は此の道を時間に追われずいぶん気ぜわしかった。
10Kで笠山につく。(204K)
早く着いていた方はかなり疲れているようでゆっくりしていた。
チェックライターを済まし殆ど歩きで次の虎が崎に向かう。
結構下りで足に来る。

虎が崎でチェックライターを済まし軽く食事をしていると矢谷さんが追いついて来た。
目は充血し足も結構来ていた。
これは雨の萩往還道の難関を越えることは難しいと思った。
私は山本さんと松崎さんと一足先に出る。後で追いついて来てと言って。そして最後の東光寺へ向けて折り返し雨の中を今度は走る。
調子は益々よくなる。

東光寺に昨年は11時だったが今日は早い。
途中で芝原さんと一緒に走る。

東光寺行く手前で140Kの前川君に会う。
お互いに握手して健闘を喜ぶ。
嬉しかった。
ついに帰って来たのだと思うと足も軽くスピードも出始め9時30分に東光寺に着く。(215K)
最後のチェックライターを済まし後は一人旅、萩往還道へ向けひたすらに市内を走り抜ける。
昨年よりタイムが短縮出来る見通しが出来走りに走った。
もう140Kの人70Kの沢山の人に会い嬉しい励みの言葉を頂き涙かこみ上げて来る。
ここも感動する良い場面です。往還道は昨年暑い中走ったり歩いたりしたこと思い出す。
幕末勤王の志士が歩いた歴史の道である。 
しかし今年は雨で全然足の痛みも忘れ登りも走り下りも140キロの方に刺激され順調に行く。
道が川のように流れ富士登山競争の豪雨で5合目で中止になった時を思い出した。
峠を越して佐々並で名物の豆腐を2−3杯食べ後は残る板堂峠急げ,急げゴールでみんな待っている。

嬉しい。

ついに今年も完走出来る。

下りはドロンコまるで阿修羅王に成った。
雨で板堂峠は石畳で滑る。昨年は忍者のように走った。
でも足取りも軽く巧くバランスをとりかけっておりる事が出来た。
国道に出ると後はゴールの瑠璃光寺迄3.5K。
もう感動の波が押し寄せて泣けてくる。
これが私の引きつけられる一番のいいところです。
フルスピードで一気に行く。
途中若いランナーに声をかけ一緒に駆け抜けた。
ゴールの手前で竹下さん、前川君に拍手で迎えられ又一緒に走った鈴木さん,山田さん瀬島さん他沢山の方に万雷の拍手でついにゴールイン 250K 
46時間39分46秒やった。

(午後4時39分)ついにやった。
ゴールで小学生(男子)が走って迎えてくれ暖かいお茶を持って来てくれてうれしかったこと。
やはりハードにこの日の為に練習して良かった。
これは完走者のみ味わう勝利の美酒である。

後はみんなで山口の湯田温泉で菖蒲さん竹下さん矢谷さん前川さん私と5人で楽しく打ち上げ式を済ませ午後9時38分の夜行バスで大阪に帰る。

夜行バスではマラソンの話しに花が咲きとても楽しい3日間のマラソン旅は終わりました。
 250Kは菖蒲さんと景山(完走)前川君は140K完走でみんな良くがんばりました。

お疲れ様です。
来年は夢シリーズ第3弾 夢のまた夢 64歳の夢をのせてがんばります。ご期待下さい。

5/6 金剛山に行き葛城神社にお礼又クラブの橋本(美)島田夫妻に会う。
そして午後は自宅から10キロ歩いて嬉しさがこみ上げ泣きながら堺の練習コース多冶速姫神社にお礼に行く。
昨年よりダメージはなかった。皆さん応援有り難う。
最後に竹下さんが色々とお世話してして下さったことをみんな感謝しております。

5/19 鯖街道 80kにチャレンジします。


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