「RRM in 東京に参加して」

沖縄ロープランナーズ:川田哲茂さん(2003.10.08掲載)


指折り数え、心待ちに待ったロープランナーズマラソン(RRM)in 東京大会。9月20日の出発の朝、台風15号接近のため、東京行きが危ぶまれました。私の心も、その日の空と同様に曇りがちで、動揺が隠せませんでした。やはり、空港で私たちの乗る飛行機が欠航になったことを知りました。ショックのあまり、体から魂が抜けたようでした。

RRM東京に向けて練習したこと、私を励まし、応援してくれた仲間一人一人のことなどを思い浮かべると、涙がこぼれるばかりでした。しかし、奇跡は起きたのです。臨時便が出ることになり、私たち先発隊4名全員が優先的に搭乗でき、無事に東京の地を踏むことができました。その時の喜びは、天にも登る気持ちでした。

東京では、私たちを冷たい雨と風が迎えました。雨は降り続き、ずぶ濡れになりながら宿舎のサンピア多摩に到着しました。一休みした後、大会前夜の交流集会に参加しました。参加者の皆さんはとても元気で、交流集会もたいへん盛り上がり、明日の大会への期待と成功を祈って乾杯しました。

大会当日の朝、早起きしてはやる心を抑えながらカーテンを引きました。窓の外は、情け知らずの雨が降り続いていました。心配しながら大会会場に到着すると、雨天決行との知らせがあり、続いてコース説明や伴走パートナーの発表がありました。

私のパートナーは、通称「あきさん」という方で、宮古島100kmマラソンなどに何度も出場経験を持つすばらしい方でした。

心強いパートナーに伴走される幸せと期待を胸に、私はスタートラインへと向かいました。雨の中を走るのは私にとって初めての経験でしたが、不安とは逆に予想以上に快調に走ることができました。コースもそれなりにアップダウンが組み込まれていて、とてもよかったと思います。

折り返しの7.5km地点では、高松から参加されている中村さんが、手作りの温かい讃岐うどんをサービスしてくれました。雨に濡れた体が芯から温まり、ランナーの皆さんにとても喜ばれました。私は無理することなく楽しみながらゴールすることができ、その上、15kmの部で1位という快挙を成し遂げることができました。タイムは1時間38分50秒でした。とてもうれしくて、大満足の走りでした。

ランニング後の交流会は、40畳の畳間で盛大にとり行われました。ほんとうに、楽しい夢のようなひと時を過ごすことができました。全国には、私たちと同じ思いを持つ多くの仲間がいます。そして、それを心から応援し、伴に手をとって走ってくれる仲間がいます。これからの人生は今回の経験を活かし、人と人の輪が大きく広がっていくよう、私自身も努力し貢献できたらと思っております。

最後になりましたが、大会実行委員の皆様、裏方となり大会を盛り上げてくださった皆様へ心より感謝申し上げます。また、同行していただいた平良さん、渡慶次さん、上運天さん、新本さん、ほんとうにご苦労様でした。それから、このようなすばらしい機会を紹介してくださり、いろいろとご尽力をいただいた大見謝さんに感謝の気持ちを述べ、今回の旅の思い出の報告を終わります。

(この原稿は、沖縄伴ネットめいる第74号に投稿されたものです。)


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