「感動をありがとう!」

神奈川県 足柄上郡:石田 和久さん(2003.11.10掲載)


武藤昌平さん52才の伴走をさせていただいた。

武藤さんは光が全く見えない全盲の方。体が固いと言ってた武藤さん。ストレッチやマラソン歴25年のノウハウを伝えながら、港や色づき始めたみかんなど、景色を言葉にして伝え、共に楽しみながらのラン。伴走者に全面的な信頼を寄ていることが手に取るように伝わる。

走路の安全には細心の注意とコミュニケーションが欠かせない。小田原のコースはアップダウンが9割以上の難コースである。武藤さんの力が100%引き出せるよう呼吸の状況を聞きながら、コースでの力配分に気を配る。最後の陸上競技場への上り坂も苦しいながらもハイスピードで何とかこなした。

ホームストレッチのラストスパートも足が良く伸びた。

記録証をもらいに行った。武藤さんにすぐに伝えたい気持ちをグッと抑えた。記録証の点字を追う武藤さんの姿を横でじっと見守った。「エッ!まさか!」と何度も首を傾げ信じられない様子。今までの最高7位を大幅に塗り替え種目順位3位。4位の人は最期の坂で見る見る引き離されたと語った。昌平さんの喜びが胸に響いた。

武藤さん、JBMA事務局の方々、感動をありがとう!

2003年11月9日(日) 神奈川県足柄上郡 石田和久


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