東京都:ユッキーさん(2009.04.25掲載)
ゆっきーです。
かすみがうらまらそんパート2です。
ご興味の無い方は、削除してください。
いよいよレースだ。
さてじたばたしてもしかたがない。
なるようになると思い、ひらきなおってスタートした。
ほんとうは無謀かもしれない。でも私としては、なにもしないであきらめることがどうしてもできなかった。
スタートはかなり前にいたようで号砲を聞いて、1分もたたないうちにスタートラインを通過したようだ。
体力をおんぞんしてぜったいにキロ8分を保ちながら徐々に進んでいった。
不安を抑えつつクニさんと雑談をしたり、冗談を言ったりして気をまぎらわせる私。
内心体がどこまでもってくれるか、不安でたまらない。
ロープはそういう私の気持ちも伝えてしまうのだろうか、あまりふだん冗談を言わないクニさんが寒いギャグを言っている。
(あんまり面白くない)
でもそんな伴走いがいの気遣いをさせてしまった私にも問題があったかもしれない。
10キロを過ぎた辺りから少し足が重くなってきた。
10キロ1時間19分、まだ大丈夫。
色とりどりの花が咲き乱れていて、沿道の応援もたえない。
とってもいい雰囲気。
少し暑くなってきた。スポドリをうすめつつ飲む。
15キロ過ぎから少しペースガ落ちてきた。
正確にまだ応援の声にも答えられる。足もまだ上がっている。
でも足が重い。体感的にはハーフを過ぎたぐらいの疲労感だ。
私の疲れをさっしてか、クニさんがレイの東京マラソンでもとうじょうした、あの一口ようかんをくださった。
食べたら元気が少し出て来た。ほっとする。
バンバンメンバーにもたくさん遭えた。
みんなそれぞれにがんばっている。精神的にはパワーももらって軽くなる。
私は17キロ地点に関門があることを把握していなかった。
でも今の私には、あせりはきんもつだ。
どうにかこうにかクリアーして20キロを2時間41分で通過。
気を取り直してスタート。
エイドでも何かを食べたり飲んだりするときでも、止まらずなるたけ歩いて少しでも前に自然と暗黙の了解で進んでいた。
それほど私の体力の消耗が激しかったのだろうし、この先の事も考えると、なるたけ先に進みたい。
私もそう思っていた。やっぱりクニさんは冷静だ。
慎重にしていても、やはり疲労感は襲ってくるもので、徐々にスピードが落ちてきた。
エイドで持参していたマイスポンジで首や顔を冷やした。
参加者が多くエイドにコップがなくなっていた箇所もあり、持っていたペットボトルが大活躍した。
だんだん距離が増すごとに余裕が無くなり、エイドでの受け答えが乱暴になってきた。
クニさんはせっかくエイドにある物を説明してくれているのに「いらない」の私の一言で、後から冷静に考えてみるともっと短くても違う答え方をすればよかったと反省している。
もし自分が伴走する立場だったらきっとかちんときただろうなあと思った。
それと思うように足が上がらず同じペースが保てなくなってきてあきらかに私のリズムがくるってきているのに
「もうクニさんのペースが速すぎる」とか「もう足が上がらない」とか、他にもなにか言ったかもしれないが覚えていない。
それもかなりきつい言いかたをしてしまったような気がする。
こうなるとどうしようもない。
ほんとうに今から考えるといくら疲れていてもものの言い方は注意しなければならないと反省している。そういう意味でも今回は勉強になった。
その後またバンバンメンバーに出遭う。「ぜったい完走しようね」とつぶやく、そして自分自身に言い聞かせる。
30キロ4時間6分
私の言葉も少なく呼吸が苦しい。
肺の機能がかなり落ちてきた。
エネルギーを補給しつつ前に進む。
ゆるい上り坂がこたえる。
ロープを持ちながら、ほんとうはしてはいけないのかもしれないけれども、クニさんの肘におもわずつかまってしのいだりもした。
時々すれ違う応援団ふうのお兄さんたちにも励まされた。
とにかく筋肉に思うように酸素が入ってこない。
私は呼吸の仕方を変えたり、オーバーにはいてみるがやはり苦しい。
たまりかねてクニさんが「少し上り坂を歩くと、走るのがらくになるよ」とアドバイスしてくださったので、1カ所上り坂を歩いた。
ほんとうにうそのようにらくになった。
その後はしばらくはらくだったが、また苦しくなり、水分を取る、ゆっくりと走る、少しようかんや、バナナ、ときには施設エイドでいただいたうめぼしを食べてしのいだ。
私はもうしゃべれない。
クニさんは「40キロまでいけば後は勢いで何とかなるから、そこまではがんばろう、5キロを1時間でいけばゴールだよ」と言っている。
私はあーやっとゴールできるんだ。
そうしたら休める。
早くらくになりたい。
もうすぐゴールそれを信じて進んだ。
なんどもちょっと歩こうと言ってくださったけれども、歩いたら休みたくなる、きっと止まってしまう。
そう思うと止まれなかった。
その間もクニさんは私を励ましたり、細かくガイドをしたり、気がまぎれるように情景の説明をしたりで大忙しだ。
唯一つ水を飲むときだけは、歩いた。最後の2キロのとき、歩きたいがために水を飲みたいわけではないのに、水を飲んだ。
今まで走った中で、一番辛く苦しいレースだった。
ゴールしたときは、しばらくどうしていたのか、あまりおぼえていない。
少し横になっていたら、らくになってきた。
やはり完走すれば嬉しい。
5時間55分50秒
次回はもっと健康管理に注意しようと思う。
長文にお付き合いいただいてありがとうございました。
伴走のクニさん、いつもの数倍も気をつかわれてお疲れになったと思います。
ありがとうございました。
【写真:ゴール後に完走証と完走Tシャツを手に記念写真(ユッキーさんと伴走者の筆者)】